測量美術・ICT舗装修繕・i-Construction推進・測量調査・京都市ベンチャー企業目利き委員会Aランク認定

 i-Construction大賞優秀賞受賞

株式会社エムアールサポート

ジャパンSDGsアワード特別賞受賞技術

金の卵発掘プロジェクトGP受賞

 

ジャパンSDGsアワード特別賞受賞(測量美術による、障がい者就労継続支援の取り組み)

NEWS

2021.1.19

『誰一人取り残さないは、舗装修繕ならできる!

 個性の”暴走”が生んだ好循環。

(C)内閣広報室

 SDGsの取組みが注目される昨今、株式会社エムアールサポートの障がい者就労支援の取組み(測量美術)が、「特筆すべき功績があったと認められる企業」に贈られる"ジャパンSDGsアワード特別賞"を受賞した。令和2年12月21日の事である。

 

 エムアールサポートは創業当初から「道路舗装の修繕工事」に注力した事業を展開している。それは代表取締役の草木茂雄(46)が、土木工事(特に舗装工事)の分野で経験を積み、現場で培ったアイデアを武器に同社を興したという経緯による。その為、創業当時は土木一辺倒であった同社だが、ある日を境に風向きが変わり出す。

それは当時、非正規雇用で入社した森誉光(40)(現・取締役(COO)/ICT事業統括責任者)の登場である。

受賞内容詳細(外部サイト・外務省ホームページ)

関連記事(外部サイト・特集【KYOTO 革新を生む異彩たち】日本経済新聞)

▲ エムアールサポートの皆さん。建設業では珍しい男女比が均等なジェンダーフリー就労を独自技術により実現。

(右端・草木代表取締役、前列左から5人目・森取締役。写真提供 エムアールサポート)

 森氏は「従業員全員キャラが濃い」と言われるエムアールサポート内でも、ひときわ異彩を放つ人物である。学生時代の20代~30代にかけては毎年、京都市美術館(現・京都市京セラ美術館)で開催される個展形式の展覧会に出展し、新しい美術表現に挑戦を続けてきた経歴を持つ。その中で、得意のプログラミングを用いた表現もいち早く取り入れて多感な観客を沸かせてきた。「自分が面白いと思ったらそれは他の人にも面白いんです。何故なら私は天才じゃないから。天才の感動は分からないけど、ありふれた僕ならみんなの感動が分かる。」森氏は少し間をおいてこう続けた。「受けるっていうのも大事なんですよ。」

 

 「相手の演技を受けなさい。これは演劇の基礎で必ず教わる事なんですけど、想いは台詞や間や動作で表現されているから、それをしっかり感じて受取りましょうという事なんですね。そして受けたものを分析し、リアルタイムに返す。感受性とフットワークの両立といったところでしょうか。こうしないと芝居という"製品"は絶対に完成しないんです。」「あと、お笑いで言う"ウケる"も大事ですね。面白くないものに惹かれる人って少ない。」驚くことに激務の合間を縫って、森氏は俳優としても活動中で、テレビドラマやCMにも出演するなど実に多彩だ。「異業種の様々なプロ、トップレベルの仕事を普段から目の当りにする事は、開発する上でとても刺激になっています。」とにかく知れば知る程、謎が深まる人物である。

▲ 内閣総理大臣官邸で執り行われた授賞式の様子。ユニークな森氏の登場に菅総理大臣の表情も緩んだ。

(写真提供 内閣広報室)

 あっけにとられる筆者を後目に森氏はこう続けた。「これらの多様な要素、つまり美術表現・プログラミング・受けるの全てを統合したことが測量美術を生み出したんだと思います。」つまり、演じる事で身につけた”受ける”テクニックを駆使して、会社の、取引先の、行政の、働き手の、あらゆる要望を観察して受け止め、それを技術開発にフィードバックした結果というわけだ。

 そんな森氏に、SDGsに目を向けたきっかけを伺った。「シンボルマークが可愛かったんです。虹色で。それであれなんだろう?って気になって、調べてみたら私が普段やりたいと思っていた事と同じでした。」

 

 森氏は冗談も交えて更に付け加えた。「私は就職氷河期世代で、同世代で困っている人をたくさん知っています。私自身も例に洩れずちゃんと困りました。また、少年時代には"たんぽぽ学級(特別支援学級)"の友達と仲良く遊んでいた記憶もあって、あれから大人になった障がい者が仕事に就けない事にも憤りを感じていました。つまり世の中不公平だなあとずっと感じていたんです。」「もともとSDGsという言葉が無い頃から、自然と意識していた課題でしたね。」

 

 そうした中、森氏は新しく同社に入社した従業員の教育を任される。しかし専門的で複雑な計算を伴なう作業は、新人にとって苦痛でしかなかったという。そこで森氏は、全く仕事を覚えられない新人の為に簡単な表現で読みやすい作業手順マニュアルを制作し、計算入力が簡単になるソフトウェアまで独自に開発したという。「そうすると、瞬く間に新人が業務をこなせるようになった。教育にかかっていた社員全員の労務まで激減し、業績はグンと上がりました。」

 

 繁忙期には業務がひっ迫し、連日徹夜も通例という建設業。従業員の確保はその究極の救いとなる。しかし、建設業への応募者はすぐに底をつく。たとえ新人教育の方法が上手くなっても、いまだ3Kだと囁かれる建設業には応募者自体が少ないのだ。だがその従業員確保の課題に、森氏はひらめいた。世の中には建設業「以外」の人の方が多い。ならばそこから雇用すればいいじゃないか。それは「プロ志向」であるこの業界では、誰一人思いつけなかった発想の転換だった。

 

▲ 導入負担の軽減も考慮したシステム開発により身体・精神・知的障がいの有無や、性差に左右されない「公益性の高い就労の場」を創った。(写真提供 ユニオンソーシャルシステム(株)・障がい者の就労支援講習会にて)

 森氏は、まず手始めに親友が務める介護施設に簡単な業務からチャレンジしてもらえないかと打診した。その施設を利用しているシニア、シルバー層には、建設業をリタイアした人も多いという事で、道路の仕事がすぐにできそうであるとの判断からである。施設との打合せとレクチャーの結果、介護スタッフとその利用者には大変好評で、すぐにやりたいとの返事が貰えたが、肝心の経営者が突然難色を示し頓挫してしまった。

 

 ここで落胆する森氏に手を差し伸べたのが、冒頭でも紹介した草木代表取締役である。介護施設で利用する為に、さらに簡易に操作できるように改善した入力ソフトを、草木氏の知り合いが経営している障がい者就労継続支援事業所に持ち込んだ。結果はトントン拍子だった。

 森氏は草木代表をこう表現する。「行動力のお化け。」「私の一見、突拍子もないアイデアに、代表の行動力をミックスすれば怖いものなしですよ。それに代表は尋常ではないほど懐が深い。あまり目先の利益に固執しないんです。あと経営者に最も必要な、野生のカンを持っている。どこかでピンと来ているんでしょうね。」

 

 こうして障がい者就労継続支援事業所と公共工事を結ぶ取り組みは実を結び、現在エムアールサポート本社がある京都だけに止まらず、他府県においても障がい者就労の効果を創出している。

 

「誰一人取り残さないは、舗装修繕ならできる!そう思います。道路は世界中に張り巡らされた世界共通のインフラ設備ですし、その維持修繕は人類が存在する限り永久に必要です。その人類に必要なサスティナブルな仕事を、仕事が必要な個々に分配するんです。」「私の考え方は、無理矢理に障がい者向けの仕事を作るんじゃなく、普通の仕事をやりやすくしてみんなでやる。これって、カッコよくないですか?」森氏は、少し照れた表情で締めくくった。

(誉宝書房)

▲ 草木代表のデスク周りには表彰状がズラリ。「先輩の皆様方と代表への恩返しのつもりでした。」と森氏。

 ジャパンSDGsアワードへの応募は、なんとこの森氏の独断によるものとの事。聞けば、同社が受賞したアワードの全ては森氏が勝手に資料をまとめ上げ、勝手に応募したものだという。「実は入社当初、この会社って本当に駄目だなーって思う事が多かったんです。代表取締役自身、息子にはこんな会社継がせたくないと言っていましたから。でも、それでも会社として成り立っていたのは、良い所、キラリと光るところが小さいけれどちゃんとあったから。私はそれをクローズアップしてみんなに自覚してもらった。その為のツールが、アワード応募だったんです。やはり、外部からの評価を受けると自信に繋がるもので、自信は改善に繋がり更に大きな成果を呼ぶ。結局今や代表は、息子さんにこの会社を継がせようと必死です。(森)」

 

 好循環を巻き起こす、”暴走”とも言える森氏の革新力と、それを受け止めて前進させる草木代表の寛容さは、同社のイノベーションの推進力となった。森氏は現在、測量美術によるSDGsの取組みを更に拡大する為、コロナ禍による困窮者を救える業務システムを構築中との事。社会全体が未曽有の事態に困窮する今、前例主義を打ち破る”暴走力”が必要なのかもしれない。道路維持修繕という超巨大市場を巻き込んだ、社会貢献の"暴走"は止まらない。

▲ 森氏は現在、SDGs活動を推進する漫画家や、咄家といった表現者を巻き込んだ、コロナ失業対策の新事業を展開中。公共土木工事の枠にとらわれない様々なステークホルダーを巻き込んだ事業展開の相乗効果に期待。

(写真協力 SDGs漫画家ピョコタン氏(左写真)、SDGs落語家 笑福亭風喬氏(右写真)

お問い合わせ先

株式会社エムアールサポート

〒616-8372 京都市右京区嵯峨天龍寺広道町7-9

TEL:075-865-0303

FAX:075-865-0308

E-MAIL:info@mrsupport-inc.com

Web Site :http://mrsupport-inc.com

測量美術(R)は、株式会社エムアールサポートの登録商標です。